アダプトゲンハーブとは?
記事のポイント
アダプトゲンハーブとはインドのアーユルヴェーダや中国の漢方で用いられてきた何千年もの歴史を持つハーブの中で、ロディオラやアシュワガンダなどストレス適応を助けるアダプトゲン(適応素)を持つものがアダプトゲンハーブに分類されます。
アダプトゲンハーブは強い生命力・環境適応力を持ち、ストレス適応を助け、心と体のバランスを回復する働きを持ちます。
アダプトゲンハーブはハーブティーやサプリメント、化粧品など様々な方法で日常に取り入れることができます。
アダプトゲンハーブとは?
アダプトゲンハーブの定義
アダプトゲンハーブはインドのアーユルヴェーダや中国の漢方で何千年もの間人々に使われており、ストレス適応を助ける働きはよく知られていましたが、本格的にその研究が始まったのは1940年代の旧ソ連からです。
1947年、ニコライ・ラザレフ博士はアダプトゲン(適応素)を「物理的、科学的、あるいは生物的な側面からの有害なストレスに対抗するため、身体の非特異的抵抗力を高め、ストレス過多の環境に適応させることのできる物質」と定義しました。
また1968年には現在でも広く認知されている以下の定義がブレクマン博士とダルディモフ医師によって提唱されました。
非毒性である
体内における非特異的な反応によって、物理的、科学的あるいは生物的、複合的なストレスに対して抵抗力を高める
ストレスによる身体の偏りを正常化させる
アダプトゲンハーブの種類
上記の定義にあてはまるアダプトゲンハーブは以下のようなものがあります。
アシュワガンダ
甘茶蔓
アムラ
エゾウコギ
黄耆
何首烏
甘草
クコ
クドゥチ
五味子
シュタバリ
シラジット
西洋人参
太子参
朝鮮人参
党参
冬虫夏草
ホーリーバジル
ラボンテイカム
ロディオラ
霊芝
中でも代表的なものの概要は以下の通りです。
アシュワガンダ
アーユルヴェーダでもよく用いられるアシュワガンダもアダプトゲンハーブの一種です。インドやアフリカで体力・免疫力のための天然の強壮剤としてさまざまな場面で用いられています。
ロディオラ
別名紅景天として漢方でも親しまれてきたロディオラは、中国に加えてチベット、シベリア、北欧で長い歴史があります。疲労や虚弱などのために使用されていました。中国の皇帝はロディオラを求めてシベリアに探検隊を派遣するなど古くからその効果は人々に知られていました。北欧のバイキングたちもその力の源としてロディオラを好んで用いたと言われています。
ホーリーバジル
ホーリーバジルもアーユルヴェーダでよく用いられるアダプトゲンハーブです。家族の幸せを願うための朝のお祈りにも用いられる神聖なハーブであり、インドの人々の生活にとても深く根付いています。体のチャクラのバランスを維持できると考えられています。
アダプトゲンハーブの効果・効能
アダプトゲンハーブの多くは極寒の高地などストレスの多い環境で成長します。それゆえに強い生命力・環境適応力を持ちます。
アダプトゲンハーブの一種であるロディオラはチベットの海抜3,000メートルを超える高地で、冬は零下40℃を超える極寒、夏は太陽の強烈な直射日光に晒されるという厳しい環境を生き抜いてきました。
成長するまで3~5年を要し、生命力・環境適応力をその身に蓄えてきました。他のアダプトゲンハーブも同様に成長するまで数年かかり、その力を根に蓄えています。一方で、例外的に1年未満で収穫ができるアシュワガンダ、ホーリーバジル、甘茶蔓のようなものもあります。
東洋的な考え方では心と体のバランスを整え、人間に本来備わる活力を高めることを重要と考えています。
心と体は分けることができず相互に補完しあっています。アダプトゲンハーブはチベットの僧侶が瞑想の際に使用していたように、心を調える効果があると考えられています。
余裕のない毎日で心身のセルフケアがおろそかになっているときにもバランスを整えてくれます。
またリラックスタイムや睡眠においても、アダプトゲンハーブの持つ生命力が心と体のエネルギーをチャージする手助けをしてくれます。
またスポーツの分野でもアダプトゲンハーブは活用されており、ドーピングにもひっかからない自然由来のものとしてオリンピック選手も筋トレや競技の際に使用されています。
近年の動向
アダプトゲンハーブは長い歴史を持ちますが、現代社会の強いストレスへの対処方法としてアメリカを中心に再注目されています。
朝のスムージーにアダプトゲンハーブを加えたものを飲み、その後ヨガや瞑想で心を落ち着けることが気持ちよく毎日を過ごすための新しいライフスタイルとして人気を博しています。
また肌を内側から健康に美しく保つためのアダプトゲンハーブを使用したフェイスオイルなど化粧品の分野でも広がりつつあります。
アダプトゲンハーブとは?
アダプトゲンハーブは植物ですので、もちろん食べたり飲んだりすることができます。また粉末にしたものをパウダーやカプセルとして飲む、成分を抽出したエキスを飲むこともできます。代表的なアダプトゲンハーブの取り入れ方を下記します。
ハーブティー
最も一般的な方法はハーブティーとして飲むことです。あたたかいハーブティーで一息つくのはリラックスの方法としても最適です。アダプトゲンハーブを主成分とするブレンドティーも数は少ないですが販売されています。
しかしアダプトゲンハーブは美味しさのために品種改良を施された植物ではないので、味があまりよくなく、個人差はありますが毎日楽しんで飲むのはなかなか難しいと思います。
栄養ドリンク
栄養ドリンクの中にもアダプトゲンハーブが含まれているものがあり、手軽に入手することができます。こちらも多くは格別に美味しいわけではありませんが、甘みが加えられているなどハーブティーよりは飲みやすいと思います。
サプリメント
アダプトゲンハーブの粉末もしくは成分を抽出したサプリメントが販売されています。味を楽しむのではなく、その成分だけを効率的に摂取したいという方にはサプリメントはさっと飲めて手軽でありおすすめです。
アダプトゲンハーブの副作用・注意点
アダプトゲンハーブは通常の食材よりも強い効果を持つため使用にあたっては副作用が気になるところです。
機能性食品やサプリメントなどで表示されている用量や用法を守っていれば一般的には副作用を心配する必要がありませんが、妊娠されている方、アレルギーをお持ちの方、持病をお持ちで現在服用されている薬がある方など、使用にあたって懸念がある場合はかかりつけのお医者様によくご相談ください。
また他のハーブ製品と同様に効果効能が類似するものの過剰摂取や長期間の使用などは注意が必要と考えられています。
ご自身のご判断と必要に応じてお医者様にご相談頂き、毎日の生活にうまく取り入れ、生活を豊かにしてください。